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| 2011年8月 |
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| 2011年3月 |
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2010年線維筋痛症の新しい分類基準が発表された。この分類基準では圧痛点の記述がなく、疼痛症状の評価と関連した症状の重症度を採用している。 |
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| 2009年10月 |
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「臨床医のための線維筋痛症」 著者 浦野房三 昨年の「症例から学ぶ脊椎関節炎」に続き、今年は線維筋痛症を中心に執筆した。線維筋痛症の方が後になったのは、線維筋痛症の診断に隠れて、脊椎関節炎が多数存在することを示したかったからである。 |
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| 2008年11月 |
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「the FACTS 強直性脊椎炎」 著者 Muhammad Asim
Khan 監修 浦野房三 翻訳 田島彰子 脊椎関節炎の代表格である強直性脊椎炎(AS)は近年、疾患概念の変革のため、予想以上に多くの患者が存在するといわれている。
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| 2008年9月 |
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「症例から学ぶ脊椎関節炎 強直性脊椎炎、未分化型脊椎関節炎ほか」 著者 浦野房三 広範囲に疼痛をきたす脊椎関節炎は医療関係者には病名は知られているが、診断方法が十分に行き渡っておらず、X線所見や検査で異常がみつけにくい疼痛は線維筋痛症とされ、十分な対応がなされていないのが現状である。 本書では脊椎関節炎の症状、病態や関連の深い病気まで、その検査・診断、予後や治療法を実際の48症例を掲載し、わかりやすく解説した。その症例のほとんどは日常的にみられるものばかりである。 本書は脊椎関節炎についてまとめた本邦初のテキストであり、日常臨床に役立つ好著となった。リウマチ性疾患を学ぶ先生方にぜひご一読をおすすめしたい。 ●http://shinkoh-igaku.jp/mokuroku/data/684.html 2008年発行 B5判 139頁 定価3885円(本体3700円+消費税5%) ISBN9784880026848 株式会社新興医学出版社 〒113-0033 東京都文京区本郷6-26-8 TEL 03-3816-2853 FAX 03-3816-2895 |
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| 2008年1月 |
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| 脊椎関節炎でも線維筋痛症でも第一段階では主に抗炎症剤が使われることが多いと思います。抗炎症剤ではクリノリル、ナイキサン、オステラック、ロキソニン、ランツジール、インフリーS、ボルタレンなどが投与されます。 症状が軽い場合は頓用で内服することもよいでしょう。疼痛症状は一日のなかでも変動が著しい方もいらっしゃいます。また、気候、によっても疼痛レベルは変動します。軽い運動で楽になることもありますね。診察室では患者さんの疼痛レベルをできるたけ客観的に評価できるように工夫したいものです。 そのほかボルタレンサポ(25mg、50mg)、インダシン坐剤(25mg、50mg)、エパテック坐剤(50mg、75mg)などを頓用で使用できるように患者への教育も大切です。なかには湿布、あるいは軟膏などを併用することもよいでしょう。アドフィード、セルタッチ、モーラス、ボルタレンテープ、セクターゲル、ファルネラートゲルなど湿布や軟膏には自分で治療を施しているという安心感もあるようです。 患者さんによってはこの段階で疼痛がコントロールされることもあります。日常診療のなかで初診患者が通常の抗炎症剤が効かないと訴える例によく遭遇します。患者さんが自分の病状を理解し、治療に対しても積極的な意識が形成されると、数週間後には予想以上に疼痛が軽減されることがあります。 抗炎症剤は胃腸障害を生じることが多いので注意が必要です。脊椎関節炎の疼痛症状は1日のなかでも変動があり、早朝、痛くて眼が覚めたという例から、午後になると疼痛が増す例、疼痛性ショックで意識レベルが低くなる方など極めて様々です。筆者の経験では毎晩、疼痛性ショックで意識レベルが低下した症例もあります。関節リウマチに比して疼痛はどの程度かという質問をされることがありますが、少数例ですが、関節リウマチの疼痛を遙かに超えていた症例もあります。 近年、欧米を中心に胃腸障害の少ないCOX2阻害薬が発売されてきました。日本ではハイペン、モービックなどがこの薬剤にあたります。また、昨年、セレコックスという薬剤が発売され患者さんにはかなり評判がよいようです。 実はこのお薬には血栓を作らないようにする作用が少ないため、心筋梗塞や脳梗塞を起こす例が若干みられたので、発売がおくれていましたが、治療の効果が危険性を上回る場合には投与されてもよいという判断から、発売されています。2008年4月からは長期投与も可能となることが分かりました。いずれにしても、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすい状態にある方には注意して投与されるべきであると思います。 |
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| 2007年4月 |
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| 篠ノ井総合病院には全国でも有数の人工腎センターがあります。ここで透析を受けている患者さんに対して、2004年および2005年の2回にわたって、線維筋痛症があるかないかの頻度を調査しました。アンケートに回答していただいた患者は173例でした。当院で透析を受けている患者さんの約7割にあたります。その中で、線維筋痛症と診断された患者さんは71人で41%にあたります。透析年数が長期になるに従って、線維筋痛症の合併頻度が増加していました。今回、透析患者さんにおける線維筋痛症について、免疫学などに関する調査を行いました。 最近、長期の透析患者さんにおいてMMP-3(Matrix Metalloproteinase-3)の増加が報告されています。長期間の透析患者さんでMMP-3が高い値を示す場合はなんらかの症状と関連していることが考えられます。長期間、透析を受けている患者さんで、MMP-3が高い値を示す場合は線維筋痛症の基礎に、多発性付着部炎あるいはアミロイド関節症を合併しているのではないかと考えておりました。また、透析患者さんの疼痛を各方面から検討することにより、痛み治療の方向性が見いだせるのではないかと考え調査を行いました。 今回は関節リウマチなどでも増加するMMP-3の測定です。線維筋痛症の病勢の解析のために、測定対象は女性のみとし、年齢は主に50代から60代としました。調査した人々は3つの群からなり、1群は線維筋痛症を合併した透析患者さん、2群は線維筋痛症がない透析患者さん、3群は健康な人です。 その結果です。1群は20人、2群は18人、3群は16人でした。平均年齢は1群が59.4歳、2群が58.7歳、3群が58.8歳であり、それぞれの平均年齢については統計学的に有意差はありません。透析期間は1群が19.5年、2群が7.6年で統計的にみると1群が有意に長期間でした(p=0.0305)。 MMP-3の平均値は1群が204.38ng/ml、2群が172.189ng/ml、3群が36.95ng/mlであり、1群と2群では有意差はありませんでした(p=0.2877)。一方、1群および2群とも3群の健康な人とは有意差がみられました(いずれもp<0.0001)。 透析の原因となった腎疾患について、比較を行ってみました。慢性糸球体腎炎、糖尿病性腎症などは両群で多数を占めていましたが、両群でのそれぞれの分布は統計学的に有意差はありません(p=0.5464)。既往歴および合併症の出現頻度は副甲状腺機能亢進症、あるいは、悪性腫瘍などは1群で高頻度でしたが、統計的には有意ではありませんでした。手術の既往歴について頻度を検討しましたが、胸腹部あるいは婦人科の手術は1群で高頻度であり、統計的に有意差がみられました(p=0.0004)。 整形外科およびリウマチ性疾患の既往歴の出現頻度では付着部炎(p=0.0004)、関節炎および関節症(p=0.0086)、そして、頚椎捻挫・脊椎疾患(p=0.0058)が2群にくらべて、1群で高い頻度を示しました。すなわち、線維筋痛症を合併している透析患者さんではこれらが高頻度であるということが分かったのです。 また、MMP-3は両群とも健康な人に比べて、高い値を示しており、骨関節炎を生じやすい状態が顕著であることが推測されました。また、骨関節の障害が出現することにより、二次的に線維筋痛症が生ずる可能性も考える必要があると思います。既往歴などの統計解析から、手術歴あるいは整形外科およびリウマチ科的疾患が線維筋痛症を持っている群に多いことがわかり、メカニカルストレスが線維筋痛症の病態をより悪化させている可能性がありそうです。透析患者さんにおいては腎疾患以外にも様々な状態が、痛みに関与していると考えられます。 なお、以上の研究は厚生労働科学研究補助金(免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業)の援助によりおこなわれました。今回記載した結果はその一部です。 |
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| 2006年2月 |
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| 昨年から脊椎関節炎のお話をしておりますが、画像診断に話が偏ってきました。今回は画像診断を離れて付着部炎のお話をします。多発性関節炎あるいは多発関節痛という場合、一般には多発性滑膜炎のことを言うことがほとんどです。しかし、ここで忘れてならない事は多発性付着部炎です。ミシェル・マンダー(Michelle Mander)という研究者が1987年に英国のリウマチ科の雑誌に発表しています。この論文は欧米の教科書によく引用されています。 マンダーの論文を参考にお話します。彼は多発関節炎をみる場合、多発性滑膜炎と多発性付着部炎の両者に注意すべきであると述べています。この論文には診察すべき四肢と体幹の付着部の図が出ています。今回これを参考に図を作成してみました。圧痛のみられる部位には黒い点が印されています。特に脊椎棘突起に黒い点があるのに注意してください。 論文の中には圧痛のみられる付着部の場所があげてあります。本文には次の部位が記載されています。項部稜、胸骨柄体関節、胸肋関節(論文では肋骨肋軟骨関節)、上腕骨大結節、上腕骨内顆と外顆、腸骨稜、前上腸骨棘、大腿骨大転子、脛骨粗面、大腿骨内側の内転筋結節、大腿骨内顆および外顆、脛骨内顆および外顆、腓骨小頭、足底腱膜踵側付着部、アキレス腱、仙腸関節、頸椎棘突起、胸椎棘突起、腰椎棘突起、座骨結節、後上腸骨棘。このほとんどが図に示されています(一部省略されている)。 |
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この図に示された他にも顕著な圧痛がみられる部位があります。橈側手根屈筋腱、手関節内および外側の靭帯、足底腱膜母趾側、距骨下関節、足関節、膝蓋靭帯、胸鎖関節、嗚口突起、梨状筋腱、膝窩筋腱付着部などです。 |
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| 2006年1月 |
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| 2005年11月にアメリカ合衆国のサンディエゴで開催された、米国リウマチ学会(ACR)に参加してきました。そこでは線維筋痛症の演者のほか、脊椎関節炎(強直性脊椎炎)で高名なモハマッド・カーン教授とお話しすることが出来ました。カーン教授はご自身が12歳の頃、強直性脊椎炎に罹患し、以後辛い闘病生活を経験されているわけです。オックスフォード・ユニヴァーシティ・プレス社から発行されたthe Factという本の一つにカーン教授の書かれた一冊があります。この中に「強直性脊椎炎の症例が線維筋痛症とされていることがある」という一文があります。 学会場でその話をしたあと、メール交換をすることになりました。帰国後メールをさしあげましたら、早速、教授からメールの返事がきました。そのなかでMRIの所見が重要であると書かれていました。MRIで異常が見つかれば、まずは1次性の線維筋痛症ではありません。脊椎関節炎が画像診断で証明されたことになります。 脊椎関節炎の症例の画像診断のお話をつづけます。私の病院では、MRI検査は放射線科の専門医の力をお借りして行っています。読影はMRIについて相当に専門的な知識がありませんと判断が困難で、重要な情報が得られません。当院では長谷川放射線科医長に読影していただいております。 症例1.40代の女性。項部痛と右胸鎖関節痛を訴えている脊椎関節炎の患者さんです。通常のレントゲン写真ではその場所に明確な所見はありません。しかし、MRIの脂肪抑制STIRで高信号が明瞭です。右の鎖骨近位部には明らかな炎症像があり、浮腫性の変化が見られます。この方は四肢体幹に多発性付着部炎が顕著でした。
症例2.50代 女性。3年ほど前から多発関節痛が出現。リウマトイド因子が高度陽性。関節リウマチが疑われていました。いつも右足の疼痛を訴えています。右踵骨、距骨など足根骨の骨髄にT1強調像で明らかな低信号、脂肪抑制STIRで高信号を認めました。骨髄の炎症性、浮腫性変化と考えられます。この方も全身の付着部炎がはっきりしており、脊椎関節炎です。ショーバーテストも陽性です。
症例3.50代女性。多発性付着部炎と仙腸関節炎があり診断は脊椎関節炎です。下の画像は足根部のMRI脂肪抑制STIRです。アキレス腱前面の脂肪組織内に高信号をみとめ、踵骨にも高信号を認めます。
線維筋痛症と脊椎関節炎は病気のなりたちが全く異なります。線維筋痛症だけの場合は多発性付着部炎を起こすことはなく、画像所見で確認されることはありません。また、脊椎関節炎の治療は線維筋痛症とは異なりますので、注意が必要です。 |
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| 2006年新年号 |
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| 治療は薬物療法とリハビリテーションの二つに分けられますが、今回は主に薬物療法について記します。薬物の種類によって次のような段階に分けてみました。疼痛症状が充分に改善できない場合は段階を上げてゆくことになります。それぞれの段階の薬物は副作用の問題もありますので、患者さんの理解と決断が必要となります。 第一段階では主に抗炎症剤が使われます。 抗炎症剤ではクリノリル、ナイキサン、オステラック、ロキソニン、ランツジール、インフリーS、ボルタレンなどです。 つぎのような座薬も効果があります。ボルタレンサポ(25mg、50mg)、インダシン坐剤(25mg、50mg)、エパテック坐剤(50mg、75mg)など。また、湿布や軟膏の併用も時には効果的です。アドフィード、セルタッチ、モーラス、ボルタレンテープ、セクターゲル、ファルネラートゲルなどです。 大半の方はこの段階で疼痛がコントロールされることが多いと考えています。しかし、高度の疼痛症状はこのような通常の抗炎症剤では改善しないことがあり、その症状を改善させるために第二段階としてステロイド剤を投与することもあります。急性症状には点滴、あるいは、静脈注射の方法があります。一般的にはプレドニゾロンの内服をしていただきます。内服の1日量は3mg程度の低量から時には15mg以上も必要な場合があります。関節の腫脹が著しい場合は、関節内注射を行います。デポメドロールなどを関節穿刺の針から注入します。脊椎関節炎の30%から40%の方は関節が腫れてくると言われています。 第三段階としては抗リウマチ薬のアザルフィジンEN(500mg)を使用します。通常、関節リウマチでは1日に1錠から2錠まで投与されますが、この疾患の場合、容量を上げる必要もあります。効果が出るまでには2~3ヶ月かかる場合が多く、効果が有る方(有効率)は60から70%程度ではないかと考えています。欧米では最大3000mgまで投与されます。 第四段階では免疫抑制剤のリウマトレックス(メソトレキセート)が投与されます。我が国では関節リウマチの治療として週に1から4カプセルまで投与されています。この病気に対しても効果があります。 第五段階は生物学的製剤(レミケード、エンブレルなど)です。抗TNF療法ともいいます。我が国ではこの疾患に対して保険適応がありません。また、この病気に対して投与されている施設は非常に少ない状況です。欧米諸国ではこの抗TNF療法に関する報告が数多くされています。脊椎関節炎に対する有効率は60%程度と言われています。関節リウマチには90%程度の効果がありますが、脊椎関節炎では有効率が低くなります。また、この薬剤は第四段階までの治療で効果が得られない患者さんに投与されるべきであると言われています。薬物の値段が非常に高価であることは医療経済学上重要な問題です。 そのほか線維筋痛症を合併している場合は次の薬剤を併用することもあります。抗うつ剤として投与されているドグマチール、トリプタノール、ルボックス、パキシル、トレドミンなどを併用します。しかし、逆に線維筋痛症の単独発症として、このような薬剤を投与しても、効果が充分で無い場合があります。その場合は多発性付着部炎を確認し、脊椎関節炎の精査する必要があります。 第一段階から第五段階の薬物の効果などを述べましたが、副作用などの問題がありますので、次の機会に述べたいと思います。 |
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| 2005年8月 |
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前回に引き続いて脊椎関節炎の話を続けます。
最近の欧米で出版された報告をみると線維筋痛症との判別に工夫を凝らしているものが多いと思います。ランベルトは付着部炎性脊椎関節炎の立場から四肢の靭帯、あるいは、腱の付着部のMRI所見の検討を行っています。その論文では各種の所見がみられたと報告しています。 引用文献 |
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| 2005年 |
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| 血清反応陰性脊椎関節炎(以下、脊椎関節炎と略)とは脊椎、仙腸関節、四肢の関節をおかす慢性炎症性疾患です。整形外科医あるいはリウマチ専門医には強直性脊椎炎という名前で昔から知られています。現在、強直性脊椎炎という語はこの病気を適切に表現していないと考える研究者も多く、強直性脊椎炎という言葉は以前ほど頻繁には使われなくなりました。また、血清反応陰性という意味はリウマトイド因子が陰性であることを示しています。しかし、リウマトイド因子が陽性の患者さんも少数ですが、受診されています。私の経験では昭和60年頃からずっと治療している患者さんでAさんという方がいます。この方はリウマトイド因子がいつも陽性です。私はAさんを関節リウマチとしては変だと思いながら数年前まで治療していました。数年前にようやくこの病気だということに気づきました。 患者さんは項部痛、背部痛、腰痛、臀部痛、下肢の疼痛を訴えることが多く、痛みの訴え方は線維筋痛症とよく似ています。関節が腫れる場合は下肢の関節が多いのですが、時には手指も腫れることがあります。脊椎関節炎のアモールの診断基準にもありますが、指がソーセージのように太く腫れることもあります。時には指の第1関節が腫れて、へバーデン結節と見分けが難しいこともあります。また、第2関節の腫れの場合は関節リウマチと紛らわしいのですが、ブシャール結節のように硬い腫れがみられます。両手指が罹患して、関節リウマチのように紡錘形に腫れることはありません。 赤沈あるいはCRPなどが病気の勢いを示さないこともあります。関節リウマチではほとんどの患者さんでこれらが基準値を超えて、高い値を示しますが、この病気の場合、関節が腫れているのに赤沈やCRPが全く亢進しなかったり、一方、全く腫れがないのにCRPが異常に高い場合があります。この理由はまだ解明されていません。 脊椎関節炎で初めに炎症を起こす場所は、腱や靱帯が骨へ付く場所、すなわち付着部です。この部位の炎症を付着部炎といいます。全身広範囲に痛みを訴えている患者さんを診察しますと、四肢や体幹の多くの付着部に圧痛がみられることがあります。靭帯あるいは腱の付着部が炎症を起こしているのです。このような多発性付着部炎が著しい患者さんは、線維筋痛症の圧痛点が陽性に 出ることが多く、関節の腫れがみられない場合は線維筋痛症と診断されているケースが多いと思います。また、関節が腫れる場合は関節リウマチ、あるいは、関節リウマチの疑いとされてる場合が多いのではないでしょうか。 レントゲンやCTなどの画像所見ではどうかと言いますと、通常のレントゲン写真では脊椎の靭帯棘(syndesmophyte)、あるいは椎間関節の癒合、仙腸関節の不整、硬化などがみられます。踵骨棘や膝蓋骨骨棘などもこれに関連したものと言われています。昔から多くの医師が強直性脊椎炎の典型的レントゲン所見として認識していた「竹の節変形」(bamboo spine)は非常に稀です。逆にそのために診断されにくいといえます。では診断がそんなに難しいのかという疑問が湧いてくると思いますが、脊椎の可動性(ショーバーテスト)、多発性付着部炎、そして、レントゲン所見から異常を見極めれば難しいとは思いません。 |
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